こんにちは。ヨーイングです!

皆さんは船のエンジンについて知りたいと思ったことはありませんか?

今回は船のエンジンに興味がある方に向けて船のエンジンの概要を説明したいと思います。

船のエンジンとは


船のエンジンとは、船を進ませるための推進力となる機械のことです。
初めてエンジンについてまず初めに覚えておかないといけない用語はシリンダとピストンです。

船のエンジンが動く仕組みは、空気をピストンとシリンダ(ピストンを入れている筒のようなもの)の間に空気を入れてその空気をピストンで圧縮して油が爆発、燃えやすいような環境を作ります。

そこに油を吹き込んで爆発、燃焼させてピストンを動かしてピストンにつながっている棒でプロペラにつながっている軸を回して船を推進させます。

このようなエンジンをディーゼルエンジンといいます。ディーゼルエンジンは機関長や機関士を必要とする船で主流となっているエンジンです。

著作権の関係でこの記事にはエンジンの作動原理についての画像を掲載できないので下記に参考となるサイトリンクを貼っておきます。

https://clicccar.com/2020/08/24/1004512/#

cliccar.com ディーゼルサイクルとは?

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/2%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%AF%E6%A9%9F%E9%96%A2

wikipedia「2ストローク機関」

ガソリンエンジンは、気化器と呼ばれる機械で燃料と空気が混ざった混合気をシリンダとピストンの間に入れてそれをピストンで圧縮し、電気の力で火花をシリンダ内で発生させ混合気を爆発、燃焼させピストンを動かして船のプロペラを回します。
ガソリンエンジンは主に一人で操舵できる船でディーゼルエンジンと並び使われています。

ディーゼルエンジンやガソリンエンジンといったエンジンはエンジンのシリンダ内で油を燃やして動力を生み出すことから内燃機関と総称されます。

ディーゼルエンジンやガソリンエンジンが空気を圧縮したり、油を燃焼させてピストンを押し下げたりするそれぞれの動きを行程(ストローク)と呼びます。
4行程、2行程式の2つがありそれぞれ4ストロークサイクル、2ストロークサイクルといい(船では4サイクル、2サイクルといいます)、いずれかがディーゼルエンジン及びガソリンエンジンには採用されています。

4サイクルエンジンの原理は空気を吸気弁と呼ばれるシリンダに空気を入れる所から空気をシリンダ内に入れてピストンを押し下げて(吸気行程)、その空気をピストンで圧縮し(圧縮行程)ディーゼルエンジンであれば 

シリンダとピストンの間(燃焼室という)に燃料を噴射し、ガソリンエンジンであれば電気の火花を燃料と空気の混合気に放ち、燃焼、爆発させピストンを押し下げます。(膨張行程)
爆発、燃焼させた空気は排気弁と呼ばれる空気を排出する所からピストンを押し上げ空気を排出させます。(排気行程)

2サイクルエンジンは、シリンダに空気を入れる口と空気を排出する口がついていて、その口をピストンが上昇してふさぎ空気を圧縮して(圧縮行程)、空気を圧縮したら、ディーゼルエンジンであれば

空気に燃料を、ガソリンエンジンであれば電気火花をとばして空気を燃焼、爆発させピストンを押し下げ(膨張行程)、ピストンにふさがれていた空気を入れる

口(掃気口)と空気を排出する口(排気口)が開き掃気口から空気をシリンダにいれ、排気口から排気を排出させ、シリンダ内の空気を一掃します。(掃気作用という)

この掃気作用は、圧縮行程でピストンにより掃気口及び排気口が閉じられるまで続きます。

これらの作動原理を理解してから、様々なエンジンの部品の仕組みや原理を覚えていくのがおすすめです。

ディーゼルエンジンの各部構造

この項では、機関士や機関長がよく扱うディーゼルエンジンの構造について説明します。
2サイクルエンジンや4サイクルエンジンは吸排気関係の部品以外構造は同じです。

ディーゼルエンジンの基本構造についての画像が載っているサイトのURLを貼っておきます。

https://www.makita-corp.com/products/base

マキタ株式会社「マキタ製エンジンの基本構造」

ピストン・・・下記に述べているシリンダの中で動いて、その運動をピストンについている棒で軸に伝えてエンジンを回転させるものです。

ピストンの運動を軸に伝える棒(連接棒)が動くことによってピストンとシリンダの間に圧が発生してしまうピストンをトランクピストン、連接棒の動きによってピストンとシリンダの間に生じる圧をクロスヘッドと呼ばれる部分で受け止めて動くピストンをクロスヘッドピストンといいます。

シリンダ・・・燃料と空気を燃焼、爆発させる筒のこと。シリンダライナと呼ばれるピストンの往復運動や爆発力を受け止める筒とシリンダ胴と呼ばれるシリンダ本体の筒で構成されています。
外筒と内筒のイメージです。

シリンダライナとシリンダ胴が分かれているのは、シリンダライナを取り替えることにより整備が簡単になるからです。

※シリンダ胴とシリンダライナが分かれているものとシリンダ胴とシリンダライナが一体のものがあります。

シリンダヘッド・・・

シリンダの頭につける部品のことです。シリンダヘッドに燃料や空気を入れたり水が入っていないか確認する弁がそれぞれ取り付けられます。

連接棒・・・

ピストンによる運動を回転力にする軸(クランク軸)に伝えるものです。ピストンと連接棒をつなぐときは上部をピストンピンというところにつけ、クランク軸につける時はクランクピンという所につけます。

クランク軸・・・

ピストンの運動を回転力に変える軸のことをいいます。連接棒をつけるクランクピン、クランク軸を支える主軸受の中に入っているクランクジャーナル、
突出している部分のクランク腕で構成されています。

上述のマキタ株式会社様のURLサイトのイラストを見て頂けると理解できると思います。

台板・・・

エンジン全体を支えるもので、エンジンの底部にあります。

フレーム・・・

クランク軸と連接棒を収納し頑丈な鉄で作られた板のことです。クランク軸が入っている空間のことをクランク室といいます。通常、クランク室にはガスは入っていませんが異常があった場合、クランク室にも混入します。

始動弁・・・

ディーゼルエンジンを始動するときは、燃料を噴射して動かすことはできません。そのため、始動弁というエンジンを始動させるための空気を送る弁からシリンダ内に空気を送り込み、エンジンを動かします。シリンダーヘッドに取り付けられます。

吸気・排気弁・・・

シリンダーヘッドに取り付けられエンジンのシリンダ内に空気を入れたり、空気を排出させる弁のことです。

燃料噴射弁・・・

シリンダーヘッドに取り付けられ、燃料をシリンダに噴射させる弁です。

カム軸・・・

いくつかの歯車で回る軸のことでこの軸でカムと呼ばれる燃料噴射弁や吸・排気弁を動かし棒付きのローラを動かします。

カムについている棒によって他の棒が連動して弁を開けたり閉めたりします。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%A0%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%95%E3%83%88

wikipedia「カムシャフト」

ディーゼルエンジンでは、シリンダ内の燃料の爆発、燃焼によりピストンが押し下げられた時(膨張行程)にクランク軸を回転させます。それ以外のシリンダに空気がいれられてる時(吸気行程)などはピストンは実は運動をしていません。

そこで膨張行程の時の回転力を利用してそのまま回転し続ける性質の力(慣性力)を使って膨張行程以外の時もエンジンを回転させるものがはずみ車です。

はずみ車はクランク室外のクランク軸の端にあります。

説明は以上です。どうだったでしょうか?

この記事で少しでも船に興味がある方のお役に立てたのなら嬉しいです。
ではまた次の機会にお会いしましょう!